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高知県の公立高校の英語授業について
すぐにでもできること⑤
-基本的指導の見直し(単語テスト)-
高知県教育委員会事務局高等学校課 山田憲昭
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高校英語教員の皆様へ
このシリーズは高知県の公立高校における英語授業の課題を踏まえ,英語教員の皆さんと英語授業や指導法に関する情報交換を行い,平成25年度から高校で始まる新学習指導要領の授業作りをサポートすることを目的としています。
「基本的指導の見直し」のシリーズでは,日々の授業における様々な場面での基本的な指導について取り上げ,指導事例やその事例上の課題を紹介しながら,すぐにでもできるという視点で改善策を考えてみます。今回は「単語テスト」を取り上げます。
1 単語テスト
単語テストを実施する場合,たとえば,どういう語彙を対象にテストをするのか,いつどこで行うのか,どのようなテスト方法で行うのか,誰が行うのか,どのように結果をまとめて,どのようにフィードバックするのか,どのように成績に加味するのか(それとも加味しないのか),など事前に考えなければならないことがたくさんあります。特に,学校全体で統一して実施する場合には,全英語教員の共通認識を図り,その効果をどのようにして検証するかについて考えておくことも大切なことの一つです。
何はともあれ,最も重要なことは単語テストを実施する目的を明確にしておくことです。種々の調査では,語彙の増強,既習事項の確認,家庭学習習慣の定着など,様々な目的で単語テストが実施されているようですが,皆さんの学校ではどうですか。単語テストをどのような目的で実施していますか。その目的は教員と生徒に共有されていますか。目的の達成はどのようにして検証しますか。明確な目的がないテストになっていないですか。とりあえずやるけど,やりっぱなしになっていませんか。
2 指導事例(※議論を焦点化するため,部分的な記述に留めます)
・授業の最初か最後に5~10分程度の時間を取って単語テストを実施する。内容は,英単語(5~10語程度)が書かれたハンドアウトを生徒に配布し,生徒は書かれた英単語を見て(読んで),それに相当する日本語訳を答えとして記入する。教員が回収し,採点して次の授業や放課後に返却する。
3 指導事例上の課題
「英語を日本語に変換する」という形式は,市販の英単語集の付属テスト等でもよく見られるテスト形式です。作問に手間がかからないので,日々忙しい教員にとっては使い勝手がよい形式です。しかし,実際,常にこのテスト形式だけを用いていると,単語学習のゴールが自然に「日本語の意味を暗記し書くこと」になり,英語学習の全体のゴールまでもが「和訳完成」になってしまう恐れがあります。
4 改善のためのヒント
外国語学習においては,生徒の頭の中に英語を残すことが大切ですが,実は学習する全ての語彙を同じように身につける必要はないようです。つまり,実際のコミュニケーションの場面でめったにお目にかからない語彙ならば,見て意味が分かる程度に身につければよいでしょうし,話したり,書いたりする場面で使用頻度が高い語彙であるならばそれに応じて正しく発音でき,スペルも正しく書けるところまで身につける必要があるでしょう。したがって,学習する語彙を何でもかんでも正しいスペルで書けるように指導をするのではなく,まず発表語彙と受容語彙に分類することから始め,それぞれに適切な習得ゴールを示した上での指導が大切です。
たとえば,下の<語彙学習のゴール(例)>のように,受容語彙は「目で綴りを見て,意味がわかる」から「目で綴りを見て,正しく発音できる」までをゴールとし,発表語彙は「耳で音を聞いて,正しい綴りで書ける」から始めて,「日本語の意味を聞いて,それに相当する英語を正しく発音できる(書ける)」までをゴールとします。その上で,受容語彙については「英語を日本語に変換する」形式の筆記テストと「単語を見て,実際に発音する」形式の音読テストを行います。発表語彙については,「CDで英語を聞かせて,生徒がその英語を正しいスペルで書く」形式の筆記テストを行い,そのレベルが十分にクリアできる生徒集団ならば「日本語の意味」を刺激とする次のレベルのテストへと移行していきます。大切なことは,受容語彙・発表語彙それぞれのゴールに見合ったテストを実施するということです。
<語彙学習のゴール(例)>
ゴール1・・・「綴りを目で見て,意味が言える」
ゴール2・・・「綴りを目で見て,正しく発音できる」
ゴール3・・・「耳で音を聞いて,正しい綴りで書ける」
ゴール4・・・「日本語の意味を聞いて,それに相当する英語を正しく発音できる」
ゴール5・・・「日本語の意味を聞いて,それに相当する英語を正しい綴りで書ける」
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