高知県の公立高校の英語授業について
「すぐにでもできること②-生徒のパフォーマンスを評価する-」
高知県教育委員会事務局高等学校課 山田憲昭
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高校英語教員の皆様へ
9月の授業のスタートは順調でしょうか。これからの季節しばらくは体育祭や文化祭等の学校行事で何かと忙しいのではないかと思います。行事が続くと,教員もお疲れモードになりがちですし,生徒も楽しい反面,落ち着きもなくなります。当然,学習へのモチベーションも下がります。学校行事を優先しなければならない状況もありますが,生徒の学習のモチベーションをしっかりと維持できる,何らかの仕掛けがある授業を展開することが求められるでしょう。
さて,このシリーズは高知県の公立高校における英語授業の課題を踏まえ,英語教員の皆さんと英語授業や指導法に関する情報交換を行い,平成25年度から高校で始まる新学習指導要領の授業作りをサポートすることを目的としています。今回の第2弾「すぐにでもできること②-生徒のパフォーマンスを評価する-」では,新学習指導要領の趣旨を踏まえつつ,英語による4技能の育成に係わる評価や定期考査等についてすぐにでもできることを考えてみたいと思います。
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「すぐにでもできること②-生徒のパフォーマンスを評価する-」
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新学習指導要領の高等学校外国語科の主な改善事項の一つとして,「4技能を総合的に育成する指導を充実する」があげられています。技能は使うことで向上しますので,「読む」技能しか使わなければ,「読む」技能しか向上しません。しかし,これでは生徒の可能性を潰してしまうことになりますし,人は言語使用の場面では必ず複数の技能を使うのが自然です。また,人にはそれぞれ得意・不得意があるわけですから,「読む」には熱心に取り組めない生徒でも,「話す」ことには粘り強く取り組むことができたりします。そもそも,EFL環境の日本では,授業は生徒が英語を使う数少ない貴重な時間です。その授業が,ある一つの技能を使うことだけに費やされるのは問題ですし,生徒にとっても退屈で面白くない授業になってしまいます。したがって,彼らの学習のモチベーションを維持しながら,4技能をバランス良く育成するために,授業においては「四つの領域の言語活動の統合を図る」ことが求められているのです。
1 現状把握と信頼関係
先生方が今すぐにでもできることの一つに「生徒観察」があります。
教員は授業や小テストはもちろんのこと,休み時間の生徒たちの姿からも,日々の指導に必要な情報を得ることができます。特に,授業での生徒観察を通じて,生徒から発信される情報を収集し,「生徒の英語力の現状を把握する」ことは,次に何を指導すべきかを決めるうえで大切です。Nation(2009, Teaching ESL/EFL Listening and Speaking)は,生徒観察などを通じて得られる情報について次のように述べています。
Careful observation of learners while they are involved in listening and speaking activities can provide useful information of their progress. However, if a teacher sets up an information gathering system, then more useful and reliable information can be obtained. Here are some suggestions for doing this.
1. Where possible, get learners to keep a record of their performance on regular classroom activities.
2. The teacher uses simple observation checklists when learners are performing listening and speaking activities.
3. The teacher gets learners to do regular self-assessment of their progress as well as gathering evaluative feedback from them regarding the course.
4. The teacher crosses items off a syllabus list when satisfied that the learners are able to cope with that part of the syllabus.
Nationが述べていることは,何もspeakingやlisteningという技能に限ったことではありません。教員や生徒自身が英語4技能におけるパフォーマンスの熟達レベルや到達度を記録したり,評価したりすることは4技能全ての現状を得るうえで必須だと言えます。
またその際,生徒の現状を,目標となるcan-do listやシラバスに照らし合わせてみることで,その後どのような指導を行うべきかが明確になります。
これらは非常に手間暇かかる地道な作業ですが,最後まであきらめず,定期的に継続していくことが大切です。最初のうちは,生徒はあまり喜ばないかもしれませんが,英語力をいろんな角度からみることの大切さを知り,生徒の英語力を向上させようとする教員の姿勢から学びますし,変容もします。実はこのような教員の地道な作業が,生徒と教員が良好な信頼関係を構築できるかどうかを大きく左右するのではないかと思います。
2 指導と評価
「テストを見れば,どういう授業かわかる」と言われます。
授業でセンター試験の問題ばかりしていれば,そういうテストになるでしょうし,4技能をバランスよく活用させる授業ならば,テストも4技能それぞれをみるものになるはずです。さて,皆さんの授業とテストの間には,どのような関係性がありますか。
このテーマに関連して,埼玉大学の靜哲人教授の著書『英語テスト作成の達人マニュアル』(2002,大修館)における次の言葉は大変印象的です。
定期テストの目的が測定でないとすればそれは何か。それは「受験者である生徒学生の能力の伸張」に他ならない。能力の伸長が目的であれば,それは授業と同じである。つまり定期テストは形を変えた授業,というよりは授業の1つの形態なのだ。内容的妥当性の項で,「ティーチング・ポイントとテスティング・ポイントは一致していなければならない」と書いた。一致しているならば,授業中の活動とテスト中の活動は基本的に同じはずである。授業はすなわちテストであり,テストはすなわち授業であっても何ら不思議はない。
この言葉を読むと,指導だの評価だので戸惑う私には,絡まった糸が解ける思いがします。「評価Assessment」=「成績をつけること(Grading)」という強い思い込みから解放され,英語は技能科目であり,生徒によるPerformanceの向上を目指して,教員は広い意味でのassessmentを行うべきだということを学ぶことができます。私は現在,授業・定期考査・小テストなど,生徒の英語によるパフォーマンスの熟達やゴールの達成に必要とされるすべての支援を,大きな枠で「評価」と捉えることにしています。そして,そういう同じ枠組の中で,テストや授業づくりを考えることができれば,かろうじてテストと授業の一貫性が維持できていると考えています。参考までに,私が考える「評価」の条件を紹介します。
「評価」の3条件
①学習者が,自らの英語力が目指すゴールに向けて,どのように,どれだけ伸びているかを客観的に知る(実感する)ことができる。
②学習者が,英語学習のモチベーションを高める(又は維持する)ことができる。
③学習者が,学習のつまづきや間違いに気付き,より効果的な方法でそれらを解決することができる。
さて,皆さんに「指導」と「評価」について今一度考えていただくため,まず私の考えや思いを紹介しました。是非,評価・指導についての皆さんの考えや思いを,職場の同僚の方に伝えてみてください。最初は異なるように思える意見でも,生徒の英語力を中心に据えることができれば,おのずとベクトルは同じ方向に向かうのではないかと思います。
3 4技能をバランス良く育成するための方策
繰り返しになりますが,4技能をバランスよく育成するためには,授業において生徒が4技能を総合的に活用する場面を設ける必要があります。
「総合的」とは,特定の技能に偏らない,技能を別々に扱わないということです。また,2つ以上の技能を関連させて活用したり,指導したりする場面,すなわち「統合的」に活用したり,指導したりする場面も,4技能のバランスの取れた育成には必要です。
2つの例を紹介して,授業においてどのように技能の統合や総合的な活用ができるのかを考えてみたいと思います。
(例1)新出語句を導入する場面
「意味確認→発音モデルの提示→発音練習」というオーソドックスな授業展開において,どのように複数の技能を総合的・統合的に活用する場面を設けることができるのかをみてみます。
まず,生徒個々の活動として次の①・②のような活動が考えられます。
これらの活動では,生徒が「聞く」から「書く」へと,また「読む」から「話す」へと技能を活用しますので,技能を統合して活用していると思われます。
①「聞く」 → 「書く」
ある単語の音を聞き,それを文字にして綴ってみる活動
②「読む」 → 「話す」
ある単語のつづりの部分的な特徴を読み取り,発音してみる活動
また,ペア活動として次の③・④のような活動が考えられます。
これらの活動では,まずAさん,Bさんが個々に「読む」から「話す」へと,あるいは「聞く」から「話す」へと技能を活用しますし,ペア相手からの音声による刺激を受けることで,さらに「聞く」から「話す」(又は「書く」)へと技能を活用することになりますので,複数の技能を統合して活用していると考えられます。
③Aさん:「読む」→「話す」 ⇒ Bさん:「聞く」→「話す」(又は「書く」)
Aさんがある単語を黙読し,発音する。Bさんはそれを聞き,再生する(「再生する」とは「正しく書く,または正しく発音する」のこと)。
④Aさん:「聞く」→「話す」 ⇒ Bさん:「聞く」→「話す」(又は「書く」)
Aさんがある単語をCD等で聞き,再生して発音する。Bさんはそれを聞き,もう一度再生する(「再生する」とは「正しく書く,または正しく発音する」のこと)。
(例2)レッスンのまとめとして,一人ひとりスピーチ活動を行う場面
レッスンのまとめとして生徒各人に1分程度の短い英語でのスピーチを行わせる際の授業展開において,どのように複数の技能を総合的・統合的に活用する場面を設けることができるのかをみてみます。
まず絶対に避けるべき授業は,最初から生徒一人ひとりが「クラス全体の前でスピーチ」を行うというスタイルです。十分なリハーサルと慣れるためのステップがないまま,いきなりクラスの全員の前でスピーチさせるのは生徒にとってかなり酷なことですし,生徒が得るものが少ないです。
たとえば,個人練習,ペア練習,グループ練習,そして最後に全員の前でのスピーチを行うという十分な練習と慣れるためのステップがある授業展開の中で,次の①~④のように生徒が複数の技能を活用しなければならない場面を仕組みます。
①個人練習(10分):「読む」→「話す」
生徒は個々に,原稿をRead & Look up and Sayしながら,スピーチのリハーサルを行う。
②ペア練習(10分):
1回目:Aさん「話す」→「聞く」,Bさん「聞く」→「話す」
2回目:Aさん「話す」→「聞く」,Bさん「読む」→「聞く」→「話す」
1回目は,ペアそれぞれ原稿をRead & Look up and Sayしながら,スピーチの個人練習の出来を披露し,聞き手にどれくらい伝わるかを確認する。実際のやり取りは次のように英語で行う。
A: I’ll make my speech. …. How much did you understand my speech?
B: I understood it 50%.
2回目は,Aさんは原稿をBさんに渡し,スピーチの内容を思い出しながらリハーサルを行う(I’m going to make a speech. Please listen carefully.)。BさんはAさんのスピーチをその原稿を黙読しながら聞いて,Aさんが思い出せない部分や言いよどんでしまう部分は原稿を見せないでその部分の正しい英語を言ってあげる。実際のやり取りは,たとえば次のように英語で行います。太字部分は必ず使わなければならない表現とする。
A: Here is my speech draft. Please read it and listen carefully.
B: Ok. Go ahead.
A: My treasure is …. It is the watch that …. Um… I can’t remember.
B: Ok. I’ll help you. “my grandfather gave me 5 years ago”.
A: Thank you. It is the watch that my grandfather gave me 5 years ago.
③グループ練習(10分):話し手「話す」,聞き手「聞く」「書く」「話す」
3~4人で1グループを作り,順に全員がスピーチを行い,最後にBest Speechを内容・英語・アイコンタクトの観点で1つ選ぶ。
まず,じゃんけんでスピーチを行う順番を決める。詰まったら原稿をチラ見しても良いことにする。3人の聞き手は,簡単なメモ(タイトルやトピック,誰がいつどこでどうした等5W1Hに注目して)を取りながら,スピーチを聞く。全員が終わったら,一番最後にスピーチをした生徒がWho made the best speech?と質問し,各自I think ( ) made the best speech.で自分の意見を伝える。
④クラス全体の前でのスピーチ(20分):話し手「話す」「読む」,聞き手「聞く」「書く」
③グループ練習においてBest Speechに選ばれた生徒は,あらかじめ決められた順でクラスの前に出てスピーチを行う。この場合も,詰まったら原稿をチラ見しても良いことにしておく。聞き手は,各スピーチを聞き,その内容に関して質問を1~2つ英語で作文する。最後に質問を回収し,該当する話し手に渡す。
4 授業中の小テストや定期考査の見直し
「直接測れる力は直接測る」が基本です。
そのためには,授業を改善するとともに,小テストや定期考査を改善する必要があります。通常,直接測ることができる力は「話す力」と「書く力」です。つまり,実際に生徒に話させたり,書かせたりするという直接の行為の出来具合を第三者がみることが可能であり,それによって,その能力の伸長を測定することができるからです。いわゆる,パフォーマンス・テストがこれに相当します。
ここでは,「話すこと」「書くこと」に関するパフォーマンス・テストの事例を紹介しますので,皆さんの学校では具体的にどのようなパフォーマンス・テストが可能かについて議論する際に活用日してください。
なお,ここで紹介するテストは,どの生徒にも当てはまる万能テストではありませんので,何よりも,皆さん自身が目の前の生徒の実態に合うパフォーマンス・テストを独自に開発し,実践することが大切です。
(1)「話すこと」
「話す」に関するパフォーマンス・テストの事例を2つ紹介します。事例①は,厳密に分類するとパフォーマンス・テストの分野に入らないかもしれません,「話す」技能を支える基礎技能の一つとして「音読」を捉え,その技術の向上を図ろうとしたテストです。事例②は,主にFluencyを高めるためのパフォーマンス・テストです。
=事例① 音読テスト=
既習のまとまりのある英文パッセージを,正確かつ流暢に音読することができるかをみる面接形式のテスト。まず,教員は生徒に100語程度の英文パッセージが書かれたカードを渡し,20秒間黙読させる。その後,英文パッセージの音読をさせ,カードを見ながら英文内容に関する英問に答えさせる。音読は次のような基準で評価し,5レベルに分類しフィードバックする。
<音読カード(高校1年生)>
In 1994, I made my first trip into space in the Space Shuttle Columbia. The view of the earth was wonderful. I was proud of our beautiful blue home. Then in 1998 I was chosen again for the Space Shuttle Discovery. Most of the astronauts with me were American. However, one of the chosen astronauts was from Spain. I was the only person from Japan and the only woman. As an astronaut, I learned three things. First, I learned that everyone has their own job. There are many different specialists on the Space Shuttle. There are scientists, people working outside the ship, and people piloting it. I believe that everyone has their own role in life. (116words)
英問
Q1: Did the writer make her first trip into Space in 1994?
Q2: Where were most of the astronauts in the Space Shuttle Discovery from?
Q3: What does the writer believe?
評価基準
Grade 発音/アクセント(語) 連音(語・語句) 意味のあるポーズ
Good 3 3 3
Fair 2 2 2
Poor 1 1 1
Total Points LEVEL
9 5
7-8 4
5-6 3
4 2
3 1
=事例② 3分間スピーキング・テスト=
3分間,身近でよく知られた話題について英語で話し続け,コミュニケーションを継続できるかをみる面接形式のスピーキング・テスト。生徒はスポーツ,学校生活など複数のトピックから1つを選択し,そのトピックに関して自由に会話を始める。面接官に対して質問することもできる。その際,面接官はできるだけ自分の話す量を抑えて応答する。生徒の沈黙が長く続く時(10秒以上)には,面接官側から簡単な質問をする。評価は教員1名がビデオ又はテープに記録された様子を,ACTFL Proficiency guidelinesを基準に用いて9段階で評価する。結果は生徒にフィードバックする。
<3分間スピーキング・テスト>
今回のスピーキング・テストは、3分間英会話です。あなたが主役です。まず、トピックを1つ選びます。その後、それについていろんな話をしたり、相手にどんどん質問をしたりして、3分間会話を継続してください。沈黙が少なく、どんどん話を進めたり、質問したりして3分間が経過したら、テストは終了です。
Sports
music
Books and Movies
School life
Pet animals
Human Rights
Environmental Problems
War and Peace
Japanese culture and society
Problems around the world
Student name: Date:( / )
Topic:
Comments:
1) Can ask questions to teachers?
2) Can answer the questions from teachers?
3) Can expand the topic effectively? / can talk about social issues?
4) Can use a proper vocabulary?
5) Can speak accurately so that teachers understand him/her ?
Teacher’s Signature:
(2)書くこと
「書くこと」に関するパフォーマンス・テストの事例を2つ紹介します。事例①および②はどちらも,高校1年生の6月に実施した定期考査での課題です。
=事例①=
設問 以下の①~③のタイトルから1つを選び、そのタイトルで論理的にあなたの考えや意見などを英語で書きなさい。原則として、3文以上は使うこと。(3点)
① My future
② My favorite comic strip
③ 自由タイトル *あなたが自由にタイトルを決めてください。
※書く時のヒント 以下のような構成で書くと、論理的で読みやすくなります。
(1)時の流れの順で書く 例)朝の出来事 → 昼の出来事 → 夜の出来事
(2)結論を先に述べて、理由や具体例は後で述べる
例)結 論 私は犬が好きだ
↓
理 由 犬は主人に忠実だから
↓
具体例 おじいさんの飼っていた犬(エピソード)
=事例②=
設問 次の(1)~(5)のトピックから1つ選び,それに関して英語で書け。(5点)
(1) The Internet
(2) Watching the TV news
(3) Let’s Learn Braille
(4) Without Barriers
(5) My stay in ..... (...の部分に好きな国か場所を英語で入れて書いて下さい)
採点基準(以下の①・②)
①語数:1-20語 → 1点 / 21-50語 → 2点 / 51語以上 → 3点
②内容:意味不明 → 0点 / 何とか理解できる → 1点 / 十分理解できる → 2点
解答用紙
あなたが選んだトピックの番号を記入してください → ( )
(解答欄)
※語数を数えて記入→( )語
2つの事例には,次のような共通する工夫が見られます。
・トピック選択 → 生徒が主体的に書く内容を選ぶことができる。
・論理や内容の評価 → 伝わる英語を書かなければならない。
・分量の評価 → 分量やまとまりを意識して書かなければならない。
また,共通していない点で重要なことは「評価基準の明示」です。事例②ではきちんと生徒に評価基準を伝えようとしていますが,事例①では不十分です。可能な限り「評価基準」を明示するように改善すべきでしょう。
実は,2つの事例は単に高校生の英語を「書く」技能を測定することを目的としているのではなく,平素の授業での指導と一貫性のある課題を定期考査でも行い,定期考査で積極的に生徒の能力を育成しようとするねらいがあります。つまり,毎日の授業での指導と全く同じ観点での課題を定期考査でも出題することで,生徒の学びを最大限に活性化しようとしているのです。このように生徒のパフォーマンスを定期考査でみる際には,授業との一貫性が重要な鍵となります。
では最後に,上記の3点以外に生徒に「書く」パフォーマンスをみる課題を与える際に留意すべきことについて少し考えてみます。
・シラバスの中でゴールを明示する
生徒に対して何の説明もないままに指導したり,その力をみる問題を出題したりするの ではなく,3年間の指導シラバスや指導計画において,段階的に「書く」技能を育成する計画を明示し,普段の授業内容とテストを関連付けて出題することが大切です。
・授業,宿題,小テストおよび定期考査をフル活用する
「書く」技能を高める課題の形式や分量,その評価については,生徒に「いつもと同じ」と思わせて,できるだけ心理的な負荷を取り除くことが大切です。
「書く」活動や課題を,授業,宿題,小テストおよび定期考査をフル活用し,他の技能を使う活動や課題とのバランスに配慮しながらも,常に生徒に与え続けることが,生徒に意識に「いつもと同じ」を作ります。
・同僚を巻き込む
「こんなふうに定期考査を変えようと思うんですが,どう思われますか?」という職場の同僚への投げかけが大切です。自分ひとりで授業や定期考査の改善を進めるのは大変な作業です。皆で協力して生徒の英語力を向上させようという意識を共有できる仲間は,何ものにも変えられない大きな支えとなります。
今回は「生徒のパフォーマンス」をテーマにして,指導と評価について具体的な事例を皆さんに紹介しながら考えてみました。十分ではないかもしれませんが,皆さんが職場の教科会や校内研修の場で,わが校では「生徒のパフォーマンス」をどこまで向上させるのか(ゴール),いつ・どのような方法で育成するのか(指導シラバス)を話し合うたたき台にはなると思います。
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